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GONGON の無線日誌

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160m から 2m まで DX 追っかけ生活の悲喜交々

50W で 2m EME を実現するには(その2)

仰角ローテータは必要か?

あえて必要と書く.まず水平仰角固定の場合は,グランドエフェクト(大地反射よる利得)を利用する.田んぼの真ん中など理想条件では +10dB 程度までの利得増加が見込めると言われている.実際 JD1BMP の運用では仰角 10 度を切るあたりからは水平仰角での運用が効果的であった.また自分のアンテナの垂直方向のローブを知っていたほうが良い.ローブは MMANA-GAL などのアンテナシミュレーションソフトで簡単に得ることができる.シングル八木では最低でも第3ローブまでは使い物になる.

じゃ仰角を制御する必要はないじゃないか,と言われそうだが大きな落とし穴がある.それは必ずしも北米のビッグガンが日本の月出に出てくるわけではないし,欧州が日本の月没に出てくるわけではない.先方も多くはサラリーマンであり,日本とは時差があるのだ.特定局とスケジュールを設定して1交信できればいいと向きだったらば不要かもしれないが,多くの場合欲張りになるのが人の性である.

機会均等法に則るならば是非仰角も制御したい.必ずしも高価な仰角ローテータがなくとも手動でも良い.ペディションなどでは,大きな 360 度分度器をマストの根元に,大きな 90 度分度器をブームに取り付けて方位角/仰角ともに手動制御というのは珍しくない.手動の場合は南中前後を除けば,およそ 30 分に1回程度の修正で済む.

ではなぜあえて必要としたのか.それは運用者の余裕度を高めるためだ.不慣れなソフトの操作,どんどん過ぎていく時間などなど.上級者でもアンテナを月に追尾させることを忘れてしまい,自分のエコーが聞こえなく(見えなくなって)気づくことがある.
by JM1WBB | 2010-12-27 23:10 | EME
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