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GONGON の無線日誌

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160m から 2m まで DX 追っかけ生活の悲喜交々

50W で 2m EME を実現するには(その4)

いつ運用すればいいのか?

もちろん月が出ている時(昼間でもかまわない).月は約 28 日の周期で地球の回りを楕円軌道を描いて公転している.まずは月単位での運用日から.月が近く背景ノイズが少ない日を選ぶ.これは DGRD というもので数値化されており,私の公開しているカレンダーW5LUU's s Moon Data で知ることができる.およそ DGRD が -5.0dB から 0dB の間がターゲットになる.欧州の QRP 局は -2.5dB を切ったあたりからアクティブになる傾向がある.

もう1つ赤緯 (Dec)というのがある.見かけ上の月の高さとでもいえばいいだろうか.これが高ければ高いほど,北米や欧州との共通窓(同時に月が出ている時間帯)が長くなる.

次にターゲット日の運用時間帯.これは難しい.先日アンテナの項で述べたが小さななアンテナを使用する場合,グランドエフェクトが効く低仰角(月出から 20 度程度まで)が主戦場になる.が問題はその時間帯が北米や欧州で人が起きているかどうか.大きな設備を構築し気が狂ったように運用している人たちも毎日徹夜はしてくれない.こればかりは先方の気分次第なので予測困難である.

条件がそろっても必ずしも成功するわけではない.最適な送信偏波面というタイトルで簡単に述べた偏波問題が残っている.運良く Geometric Rotation が |0-20| または |70-90| くらいの範囲で, Faraday Rotation がおとなしい時にだけお互いの偏波面は保存されるのである.偏波面が 90 度違うと極端に通信が困難になるのは地表波でご案内のとおりである.だが Faraday Rotation は有効な面もあり,国内地表波と EME を同じアンテナで運用するために垂直偏波で設置されたアンテナでも,欧米の水平偏波局と EME 交信が出来るチャンスがある.実際,国産の垂直偏波4八木でガンガンとやっている局はいる.
by JM1WBB | 2010-12-28 17:41 | EME
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